聴覚・言語障害

どんな障害?

  • 聴覚障害は、耳が聞こえない、聞こえにくい状態にあり、外見からはわかりにくいです。生まれつき耳が聞こえない人(先天性失聴の人)と、事故や病気で途中から聞こえなくなった人(中途失聴の人)とがいます。
  • 聞こえない状態を「聾(ろう)」と表現し、聞こえにくい状態を「難聴」と表現します。
  • 言語障害は、言葉の理解や表現に困難がある人(言語機能に障害がある人)と、発音や発声だけがうまくできない人(音声機能に障害がある人)とがいます。
  • 聴覚障害と言語障害は重複することもあります。
  • 無視していると誤解されたり、コミュニケーションに難しさを感じている人が多くいます。

こんな生活をしています

  • 手話を言語として使用している人がいます。
  • 手話が使えない人もおり、筆談や要約筆記、タブレットの文字表示などでコミュニケーションをしています。多くの方は、話す相手や場面によって複数の手段を組み合わせるなど使い分けています。
  • 補聴器や人工内耳を使用している人もいます。
  • 聴導犬とともに生活している人もいます。聴導犬は、聴覚に障害のある人の耳の代わりとなって、赤ちゃんの泣き声、FAXの呼び出し音、ドアのチャイムなどを、聴覚に障害のある人へ知らせます。

サポート

  • 講習会や会議などでは、要望に応じて、手話通訳や要約筆記者を配置してください。

    手話通訳とは

    手話を言語として使用している人は、物事を手話で考えて理解します。(英語を母国語としている人が英語で物事を考えることと同じです。)説明文を印刷して配布するだけでは十分な対応とは言えません。内容を正しく理解するためには、手話で説明される必要があります。
    講習会などでは、手話通訳者と資料(スライド)が同一の視界に入るよう配置を工夫してください。

    要約筆記とは

    話の内容をその場で要約して文字にして伝える方法です。パソコンの画面に打ち込んで画面を直接見てもらうかスクリーンに映す方法、OHPやOHCなどを使用してロール状の透明なシートに油性ペンで書いていく方法などがあります。

  • 手話は文章としての日本語とは異なる部分があるため、手話を言語として使用している人の中には、文章の読み書きが苦手な人がいます。手術などの医療行為や契約の際などの説明には、できるだけ手話通訳により説明をしてください。

  • 手話のほか、筆談やタブレット端末など、お互いが可能なコミュニケーション方法を確認してください。

    • 手話のできる店員(人)がいると嬉しいです。筆談も嫌な顔をしないでしてくれて嬉しいです。
    • 店員が手話で「ありがとう」。これだけでも嬉しいです。聞こえないと伝えると、すぐにメモで書いてくれました。
    • 加賀温泉に泊まった旅館の女将さんが手話通訳者養成講習を受講している人で、いろいろとおしゃべりができて良かったです。
  • 災害時や緊急時の警報や情報がわからないことがあるので、文字や画像など見える形で必要な情報を伝えてください。

    • 台風で電車が動くのかわからなかったときに、駅員さんが繰り返し筆談で対応してくれました。どうしたらいいかという相談にも快く対応してくれました。
    • 電車がなぜ遅延しているのかわからなかったときに、一般の人がメモに遅延理由と、振替輸送などを簡単にメモして渡してくれました。
    • バスの中で、次の停留所の案内がアナウンスされても聞こえなかったが、デジタル表示で次の行先がわかるようになり、助かっています。
    • バス停にデジタル表示で「交通渋滞で遅れています」とか「次のバスは8分後です」などと表示されてわかりやすくなりました。
    • 飛行機の遅れが出ていた際に、航空会社の人が声だけの説明ではなくボードを掲げながら歩いてくれたので遅れが出ていることを知ることができました。
    • 「飲み物は何になさいますか?」と声をかけてくれた客室乗務員さんに、夫婦とも耳が不自由なことを伝えたら、その方が、全ての機内放送の内容を、逐一メモして、その都度、席まで届けてくれました。乱気流で飛行機が激しく揺れた時も、あらかじめメモで知らせて頂いていたので、パニックにならずに済みました。
    • 山の手線の両ドアには、次の駅が表示されるだけでなく、どちらのドアから降りるのかまで表示されています。放送では聞こえないため、音声情報を字幕化しているという意味では大いに助かります。
  • 映像にはできるだけ字幕を付けてください。

    • ホテル備え付けのテレビが字幕表示になり、聴覚障害者の情報アクセスを意識したホテルが増えてきたと思います。
  • チラシ等の問い合わせ先に、電話番号のほか、ファックスの番号やメールアドレスを記載してください。

  • お店では、やりとりができるよう、メモ用紙や筆談ボード、タブレットを用意してください。

  • 聴導犬は道路交通法や身体障害者補助犬法という法律でも認められており、聴覚障害のある人と一緒に電車やバスに乗ったり、お店などに入ったりすることができます。利用を断ることはしないでください。

    もっと知ってほじょ犬(PDF)