トキについて

トキの生態

1 トキの羽の色

トキは翼を広げると、トキ色と呼ばれる淡いピンク色の美しい羽が見られます。それは、餌となるサワガニなどに由来するカロテノイド色素により発色するからだと言われています。秋に羽が抜け替わった頃は、トキ色が最も鮮やかな時期です。
トキは2月から7月頃の繁殖期に巣づくりや子育てを行います。繁殖期に向けて、12月頃になると首のあたりの皮膚が黒く粉状に剥がれ落ち、それを体にこすりつけて灰色になります。

淡いピンク色のトキ
灰色のトキ

2 トキの大きさ

クチバシの先から尾羽の先までを体長と呼び、トキは約75cmで、翼(つばさ)を広げた長さは130~140cmです。
体重は普通1.5kg前後で、オスの方が重く、最大でも2kgぐらいです。

3 トキの顔

遠くからでも目立つ真っ赤な顔をしており、顔の赤い部分には羽毛が生えていないので、餌を食べるときに泥がつきにくくなっています。
頭に生えている冠羽は怒ったときや気持ちよいときなど、感情表現の一環として逆立つことがあります。

トキの冠羽

4 トキの食べ物

食べ物はカエル、ドジョウ、タニシのほか、海岸に生息するカニやエビ、昆虫も食べることがあります。植物は、ほとんど食べません。
くちばしが曲がっているのは、泥の中のエサを食べやすくするためです。オオタカなどの外敵に目を光らせながら、泥の中の小動物を探すのに都合のよい形になっています。
いしかわ動物園で飼育しているトキには、ドジョウや馬肉などのエサをあたえています。

ドジョウを食べるトキ

5 トキの鳴き声

成鳥の鳴き声は、鼻のつまったカラスの鳴き声とも言われ、「カーウ」や「ターオ」と表されます。また、ヒナは「ピーヒュルルル」といった音になります。