石川県立こころの病院

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蔦

院長のごあいさつ

病院長 北村 立 病院長 北村 立

石川県立こころの病院のホームページにアクセスいただき、ありがとうございます。

 昭和41年に開院した石川県立高松病院は、55年の歴史を刻み、令和3年11月21日、石川県立こころの病院に名称を変更しました。新しい病院では、従来の精神科急性期救急医療、認知症など老年期の精神科医療の二本柱に加え、依存症医療と児童思春期精神科医療にもより注力することとし、これら4つを運営の柱にしていきたいと考えております。これに合わせ、新築した外来棟も一般成人、高齢者、児童思春期(2階)、依存症(工事予定)の4つにゾーニングし、患者さんに分かりやすく、利用しやすい構造になっています。  

  当院は精神保健福祉法に規定された設置義務に基づいて石川県が設置している精神科病院です。病床数はすべて精神科病床で400床(スーパー救急病棟44床、急性期治療病棟50床、認知症治療病棟50床を含む)、令和3年10月1日現在の常勤医師数は15人、その他の職員数は262人です。石川県精神科救急システムの基幹病院として365日24時間体制で救急患者を受け入れており、また石川県認知症疾患医療センターを併設し、県の認知症医療の中心的存在として活動しています。石川県第7次医療計画で、当院は「依存症」、「児童・思春期精神疾患」、「老年期精神疾患」の県拠点病院に、「周産期精神疾患」の地域連携拠点に指定されました。また「災害拠点精神科病院」にも指定されています。 

 さて、令和2年から全世界を震撼させた新型コロナウイルス感染症は、我が国の医療提供体制の弱点を浮かび上がらせ、精神科病院においては感染症に対する脆弱性が露呈しました。当院では院内感染対策チームが日頃から地道な活動をしてくれていたこともあり、これまで入院患者も職員も感染者はいません。ワクチン接種が進み今のところ全国的にも感染状況は収まっているようですが、気を抜くことなく第6波に備えて、スタンダードプリコーションの徹底に努めたいと考えています。  

 コロナ禍は、多くの生活困窮者を生み、女性や子供の自殺者、不登校やゲーム依存が増え、テレワークによる生活習慣の乱れからうつ病を発症する若者が増えるなど、国民のメンタルヘルスに多大な影響を与えました。以前から問題になっていた格差社会にさらに拍車がかかったように思います。このような社会情勢の変化により、地域でのメンタルヘルスに関するニーズは多様化し、認知症対策や高齢者の孤独や孤立、老老介護、認認介護といった高齢者の問題、産後うつ対策などを含む母子保健や子育て支援、児童・高齢者・障害者への虐待やDVへの対応、ひきこもりや8050問題、ゲーム依存やネット依存、ギャンブル依存などの行動嗜癖、生活困窮者や生活保護、そして自殺対策など、精神保健医療福祉の分野における課題は山積しています。現在、厚労省で「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」が月1回のペースで開催されており、私も構成員として議論に参加していますので、自治体立精神科病院の立場をしっかり主張していきたいと考えています。

 我々は県立の精神科病院として、県民のあらゆる精神科ニーズに応えなければなりません。高い診療レベルを得るには日々研究的な視点で臨床にあたることが重要です。臨床研究、看護研究など、当院の研究マインドは高いと自負しております。地方の単科精神科病院でありながら、インパクトファクターの高い英文雑誌にも論文が掲載されています。また看護部や作業療法科からも数本の論文が出ています。さらに、日本精神神経学会、日本認知症学会、日本老年精神医学会の認定研修施設であり、新専門医制度においては当院自身が基幹病院であると同時に金沢大学、金沢医科大学の連携病院となっています。今年度は金沢大学からの2人を含め計4人の専攻医が研鑽を積んでいます。

医療の効率化が叫ばれる昨今ですが、精神科医療においては時間がかかってもしっかりと疾病教育を行い、再入院を防ぐことが重要ですし、薬ばかりに頼らず、生活習慣改善に目を向けることも必要です。一番重要なのは、患者さんが自分たちの望むような社会生活を営めることであり、我々は一人一人と丁寧に関わりながらそれを支援していきます。職員一同、日々努力して参りますので、みなさまのより一層のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。  

             令和3年11月21日 石川県立こころの病院 病院長  北村 立