発達障害

どんな障害?

  • 発達障害は、脳機能の発達が関係する障害です。主な発達障害の特性として次のようなものがあります。
    広汎性発達障害(PDD)

    自閉症やアスペルガー症候群などが含まれ、例えば対人関係において、相手の気持ちを想像してやり取りをすることが難しかったり、興味・関心事では、偏りやこだわりが人と比べて極端に大きかったりすることがあげられます。
    (自閉スペクトラム症(ASD)と表記される場合があります。)

    注意欠陥多動性障害(ADHD)

    集中できない(不注意)、じっとすることが難しい(多動・多弁)、考えるよりも先にやってしまう(衝動的な行動)などの特性がある発達障害です。
    (注意欠如・多動症と表記される場合があります。)

    学習障害(LD)

    全般的な知的能力の遅れはありませんが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示す様々な状態をいいます。
    (限局性学習証(SLD)と表記される場合があります。)

    ※障害特性が合わさって現れることもあり、障害特性の程度や年齢(発達段階)、生活環境などによっても症状は異なります。発達障害は多様であることをご理解ください。

  • 人間誰でも、こだわりや注意力などに特性があります。特性が強いために、社会との関係がうまくいかない場合などに、障害が表面化します。その時期は子どもから大人までさまざまです。
  • 周囲には分かりにくいため、「自分勝手な人」「困った人」などと誤解されることもありますが、決して本人の努力不足や親のしつけ方が原因ではありません。

こんな生活をしています(これは一例です)

  • 子どものときに早く気づき、周囲の理解が得られる環境の中で適切な療育(医療や訓練、教育、福祉などを通じて、社会に適応して自立できるように育成すること)を受けることで、社会との関わり方を学ぶことができます。
  • 自分の得意なことや苦手なことなどの特性を理解し、対処法を持ちながら生活している人もいます。
  • 自分の興味のあることや得意にしていることでは、優れた才能を発揮する人もいます。
  • 普通に働いている人もいますが、人付き合いがうまくいかない、仕事でミスを繰り返すなど、社会生活を送る上で困難さが生じている人もいます。
  • 子どもの間は生活に大きな支障をきたさなかったために、大人になるまで発達障害であることに気が付いていない人もいます。
  • 発達障害のある人が、社会に適応する力を身につけながら、自分らしく生活できるようにするためには、周囲の人が、本人の発達障害に気づき、適切な支援へつなげることが重要です。

サポート

発達障害のある人へのサポートについて、対象の人の障害特性の種類や程度、年齢や性格などによって、生活の中にある困難さなどは一人一人異なります。そのため、周囲の人は、発達障害のある人の障害特性に応じた配慮や支援をすることが重要となります。
ここでは、家族や学校、職場など身近な場所などで、発達障害のある人と接する人などが配慮していただきたい基本的なポイントをご紹介します。

  • できたことを認める/できないことを責めない
    発達障害のある人は、ほかの人が簡単にできることでも、障害の特性によってうまくできないことがあります。本人ができないことや失敗したことを責めたりすると、「自分はだめだ」と落ち込んでしまったり、他の人や社会のせいにして批判的・攻撃的・反社会的行動傾向が強まったりすることがあります。声をかけるときには、努力している点やうまく行っている点について話したり、できなかったところは、どのようにすればもっとよくなるかを肯定的に伝えられる場合は、具体的に伝えましょう。

  • 視覚的な情報を提示して説明する
    発達障害のある人の中でも、自閉症などの広汎性発達障害の特性をもっている人の多くは、言葉で言われるよりも、目で見て分かる情報のほうが理解しやすいといわれています。その人が理解している言葉を使い、写真や絵などを添えて説明すると、理解しやすくなります。

  • 説明や指示は短い文で、順を追って、具体的に
    発達障害のある人はあいまいな表現を理解することが難しい場合があります。本人の能力に応じて、例えば言葉で説明する場合は、短い文で、一つずつ順を追って、具体的に伝えることなどを配慮しましょう。そうすることで、話を理解しやすくなり、見通しがもてるようになります。

  • 安心できる環境を整える
    発達障害のある人の中には、人混みや大きな音、光などの刺激を苦手とする人が多くいます。そのような刺激を不快と感じる人には、不快感を大きくしないように、本人にとって安心できる環境にするよう配慮しましょう。

  • 善悪やルールをはっきりと伝える
    発達障害のある人は、暗黙の了解や社会のルールが分からないことがあります。社会のルールなどで禁止されていることや迷惑なことははっきりと伝えましょう。また、伝えるだけでは、どうしたらよいのか分からない場合もあるので、具体的にどのようにしたらよいかを伝えることができる場合は、適切な方法で伝えてみてください。

  • 発達障害のある子ども(人)を温かく見守る
    発達障害のある子どもが騒いでいたり、パニックを起こしたりしているとき、周囲の人は「なぜ親は叱らないのだ」といら立つ場合があるかもしれません。しかし、発達障害のある子どもの中には、少しの時間待つことで無理に叱るよりも早く落ち着くこともあります。周囲の人にこうした知識があるだけで、本人もその家族も安心でき、気持ちが楽になれます。

  • サポートの対応が難しい場合には、お住まいの市町の相談窓口や発達障害者支援センターなどで相談することもできます。

  • 発達障害の理解のために
    https://www.pref.ishikawa.lg.jp/fukusi/kokoro-home/hattatu/siryou.html