---織田さんは石川県立工業高校出身なんですよね?
はい、高校では工芸科造形コースを専攻していました。楽しかったですよ。
卒業後「形になるもの」をもっと本格的に造りたいと考えて研修所に入学しました。
研修所では赤絵細描講師の福島武山先生に出会えたことが私にとって転機になりましたね。
---卒業後、就職という形で修業されたんですね。12年は長くなかったですか?
アッという間でしたね。最初は先生の人柄に惹かれ、先生の仕事である赤絵細描の世界にはいっていきました。
出会わなかったら今の私は無かったと思いますよ。いろいろありましたが、あまりの大雪で家に帰ることが出来ず、泊めてもらったこともあったなぁ。かわいがってもらっています。
---雪は年に1回位、ドカンって降りますからねぇ〜。弟子として先生の横でお仕事するってどうでしたか?
そうですねぇ、制作している先生の近くに毎日いるわけですから、技術はもちろんですが制作姿勢も学びましたね。
独立のきっかけにもなったんですが、先生が「いいものを気持ちの余裕をもってゆっくり制作していきたい」っておっしゃったんです。私も先生の考えに共感していますし、仕事にだけは妥協したくないですね。
日々掘り下げた仕事をしたいですし、気持ちよく仕事をしていきたい。
---織田さんは数少ない女性の伝統工芸士に認定されていますよね。
はい。その中に女性部会という団体があって、東京の伝産センターで「女性だけの展覧会」に参加させていただいたり、伝統工芸士としての活動も広がりました。他に年5回位公募展に出品もしています。
これからもこれを継続しながら、個展を中心に活動していきたいです。私の作品を気に入って、買ってくださった方の気持ちを忘れずに制作を続けていきたいですね。
---最後に陶芸を志している後輩に一言お願いいたします。
設備・先生・環境によってずいぶん影響されるところがあると思いますね。私も最初は自分の道を見いだすことが出来ずに研修所でロクロとかも勉強しました。いろいろやってみて、これだ!って出会えたのがこの仕事。
どんなこともやる気を持って過ごすのと、そうでないのとでは全く違います。自分の気持ちが大切ですね。
何事にもやる気を持って勉強していってください。