石川県立こころの病院

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蔦

依存症治療

当院は、石川県依存症専門医療機関・治療拠点機関(アルコール健康障害・薬物依存症・ギャンブル障害)と して、治療に取り組んでいます。

依存症についての正しい理解

依存症は「意志が弱いから起こるもの」でも「特定の物質が脳を壊す病気」でもありません。 近年の研究により、孤立・ストレス・幼少期の逆境体験など、環境要因が大きく関わる“こころの適応の問題”であることが明らかになってきました。

当院では、依存症を「苦痛を抱えた人が、一人で生き延びるために選ばざるを得なかったセルフケア」と捉え、患者さんの背景に寄り添った支援を大切にしています。

◇依存症の背景にあるもの

● 1. 孤立やストレス環境

研究では、孤独な環境に置かれた動物が薬物に依存しやすく、 安心できる環境に移ると依存行動が減少することが示されています。 人間においても、孤立や強いストレスが依存症の大きな要因となります。

● 2. 幼少期の逆境体験(ACE)

幼少期に虐待や不安定な家庭環境を経験すると、大人になってから感情調節の難しさ、自己否定感、対人不信などを抱えやすくなります。 これらは依存症のリスクを高めることが知られています。

● 3. 「良い子」の過剰適応

トラウマ環境で育った子どもは、「怒られないため」「見捨てられないため」に周囲の期待に過度に合わせ、 本音や弱さを表現できなくなることがあります。 この“過剰適応”が、大人になってからの生きづらさや依存行動につながることがあります。

★回復のために大切なこと★

依存症からの回復には、 安心して人とつながり、弱さを見せられる関係性 が欠かせません。
•批判されない安全な場
•ありのままの自分を表現できる関係
•対等で正直なコミュニケーション

自助グループはそのような環境が整っており、多くの方の回復を支えています。

依存症は「治らない病気」ではありません。 適切な支援とつながりがあれば、誰でも回復していくことができます。

私たちは、依存症の方が安心して本音が語れるよう、相手を尊重し対等とあろうとすること、相手がどのように語ってもそのまま受け止めること、私たち自身も自身の不完全さを受け入れ、等身大の自分であろうとする姿勢を大切にしています。

ひとりで抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。

依存症対策について  ~石川県ホームページ

依存症という病気と治療の考え方について ~患者さんやご家族、援助者の皆様へ~

 ◆依存症という病気と治療の考え方について正しく理解する *詳細はこちら

 ◆物質がもたらす脳の変化と病的な渇望 *詳細はこちら

 ◆なぜ依存症になるのか・・・真の原因は? *詳細はこちら

 ◆命綱としてのアディクションとハームリダクション *詳細はこちら

 ◆家族・援助者に求められるもの *詳細はこちら


アルコール依存症治療

通院治療と入院治療(プログラム)

■通院治療
 専門外来(アルコール外来)での診察に加えて、入院者と合同で治療を継続させるためのテーマを決めた話し合いや、「ここある」に参加します。


■入院治療
 原則として、アルコール依存症専門病棟(開放病棟)で行います。ただし、病状・状態によっては治療の場を移すこともあります。本人の同意に基づく入院(任意入院)で、入院治療期間は原則約4週間です。集団の場でアルコール依存症の治療を行い、今後の長い断酒生活の基礎作りをします。「ここある」に参加します。

■入院患者の1日のスケジュール

6:30起床
6:45~7:30整理・整頓
7:30~朝食・検温
8:45朝礼
9:30~11:30プログラム参加
12:00昼食
13:30~16:00プログラム参加
18:00夕食
17:30~20:30自助グループ参加のため外出(月・木)(医師からの勧めや希望あれば)
21:00消灯

治療プログラム
        
サイコドラマ しらふでの自己表現で自分を振り返ることが目的です。前半は体操やゲームでウォーミングアップをした後、寸劇の形でいろいろな役割を演じます。家族などの相手の感情や立場を感じることも課題です。(主な場面設定:「酒を断る」、「入院の経緯」、「天使と悪魔」など)
作業療法





飲酒中心の生活で低下した体力を回復させ、睡眠や生活リズムを整えながら、退院後の生活を見据えたさまざまな作業や活動に取り組みます。活動を通して、飲酒に代わる健康的な過ごし方(趣味活動など)を見つけたり、不安やストレスとの付き合い方等を考えたりします。
そして、断酒や節酒を長く続けていくための新しい生活について一緒に考え、自分らしい生活が送れるように支援します。
(プログラム例)
エアロバイク、軽スポーツ、手工芸、生活・就労支援、ストレス対処、面接など

服薬指導





アルコール依存症の治療には、患者様の治療目標に合わせて抗酒剤や断酒補助剤の他、不安や不眠等の症状を軽減させる薬が用いられます。服薬に関する悩みや相談に薬剤師が対応し、安心して治療を継続できるようにサポートいたします。また、必要に応じてかかりつけ薬局と連携をはかり、とぎれのない薬物治療を目指します。
 アルコール依存症の薬物療法(厚生労働省e-ヘルスネット)
栄養指導

健康的な生活を送るために、退院後も断酒や節酒を継続させます。そのために必要な食生活・栄養面からのアプローチを一緒に考えます。
外来
入院者合同ミーティング
断酒を継続するために、外来通院者とともにあらかじめ決められたテーマについて話し合います。
グループミーティング 様々なテーマについて自分の感情、考えを素直に表現し合う時間です。他の人の考えを聞くことで、客観的に自分を見つめ直すことができます。
GTMACK
(久里浜版
アルコール依存症のための
集団療法モデル)
今までの出来事や物事に対する認知(=見方や考え方、価値観、認識)を検討し、その認知を変えることで、これからの行動や生活を改善していこうとするものです。そして、さらに断酒継続に必要な実践的な対処技術を学んでいきます。
ウォーキング(冬季は作業療法) 健康的な生活を維持していくために、集団で助け合いながら約1時間から2時間ほど歩き、心身の鍛練を行うものです。自然に親しみ、健康的な汗を流し、良い思い出としましょう。基本的には天気に関わらず実行しますが、身体の状態などにより不参加になることもあります
内観 過去から現在に至るまでを振り返り、自分の身近な人たちとの関わりの中で「していただいたこと」「してかえしたこと」「迷惑をかけたこと」の年代を追って調べ、ありのままの自分を知るものです。
自治会活動 アルコール依存症という病気をもち、一緒に治療していく仲間として、規律ある集団生活を送る上で必要なものです。身の回りのことを自分で行うことで今までの家族との関係を考え、協調性を養います。
懇談会 自治会で話し合ったことや、秩序ある入院生活についての希望や意見を出し、検討します。治療スタッフ側からの連絡や問題提起も行います。
家族教室 家族を対象としたプログラムです。入院者の家族だけでなく通院者の家族も参加します。アルコール依存症という病気についての知識、治療、ならびに家族としての在り方を知ってもらいます。また家族が抱える問題を互いに出し合うことで、問題を共有し、悩みを軽減します。
*詳細はこちら
☆年間スケジュール
参加方法
自助グループ 断酒を継続している人々の自主的な集まりで、AAと断酒会があります。回復した人たちの姿を自分の目で見て、話を聞く中でアルコール依存症にも回復があることを実感してもらいます。月、木の会合に参加し、カードに捺印してもらいます。自助グループは、退院後の断酒生活の重要な足がかりとなります。
酒歴発表 入院生活の総まとめとして、退院の週に行います。今までの飲酒生活を振り返り、退院後の生活に向けて気持ちを新たにします。
「ここある」のご案内
同じ悩みを持った仲間と共に、生活リズムを取り戻したり、依存症という病気の正しい知識を得て、今後の生活を考えていく当院オリジナルのアルコール依存症通院治療プログラムです。勉強会や認知行動療法で構成された全16回のグループセッションで、多職種チームが担当します。
「ここある」カレンダー
「ここある」チラシ
「ここある」ポスター
外来・入院者合同ミーティングのご案内
アルコール依存症外来患者さんと入院患者さんが意見交換できる場として、合同ミーティングを開催しております。テーマを決めて話し合い、アルコール依存症に対する理解を深めます。

ギャンブル依存症治療

ギャンブル依存症の外来では以下のような治療や支援を行っています。

診察

 ギャンブルの現状を伺いながら治療・支援を行います。どのようなときにギャンブルの渇望が高まるか、事前あるいはその時にどう対処できるかなどを考えます。また、依存症者の生きづらさにも焦点を当てて、対等に本音で話し合うことを目標としています

SAT-G(認知行動療法)

ギャンブル依存症外来では、認知行動療法に基づいたSAT-G(島根ギャンブル障がい回復トレーニングプログラム:Shimane Addiction recovery Training program for Gambling disorder)を実施しています。

ワークブックを用いて学ぶ、全6回のプログラムで、以下のような内容となっています。

(1)自分のギャンブルについての整理、ギャンブルのメリットとデメリット、自分の目標

(2)ギャンブルへの渇望を引き起こす引き金の特定、ギャンブルについての考えを断ち切る方法

(3)再開と再発の違い、再開の前触れである再発のサインに気づく方法

(4)ギャンブルへの渇望を引き起こす引き金のリスト作成、再開へ至る道すじのイメージ作成

(5)回復への道のり、ギャンブルに代わる楽しみ、万が一ギャンブルを再開してしまったら

(6)これまでについた嘘、真実を伝えることの大切さ、新しい仲間を作る

◆心理検査

 ブラジンスキー(Blaszczynski)の「パスウェイモデル」では、ギャンブル依存は以下の3つのタイプに分けられるとしています。

(1)行動条件付け型:娯楽から始まり徐々にコントロールを失う。

(2)情緒脆弱型: 不安やうつなどの不快な気分を軽減するためにギャンブルに没頭する。

(3)反社会的・衝動型:衝動性、ADHD、反社会的特性を背景に持つ。

これらのタイプ分けや他の精神障害の併存を確認したりするため、抑うつ、ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)などの傾向をみる各種心理検査を行っています。

◆自助グループや社会資源の紹介

 心理的孤立を避け、嘘をつかずに正直に本音を話せる仲間を作る場として自助グループを紹介します。また、借金の問題などお困りごとに対する社会資源をご案内しています。

依存症関連リンク