障害のある人の読書のカタチを見てみよう

わたしたちの社会には、いろいろな本があり、障害のある人もない人も読書を楽しんでいます。しかし、みんながみんな、同じ本を読んでいるわけではないようです。障害によっては、目が見えなかったり、手の障害で本のページをめくることができなかったり、ふつうの本を読むことがむずかしい人がいます。そのため、本には障害があっても読書ができるようにいろいろなカタチがあります。障害のある人がどんなカタチで本を読んでいるのか、いっしょに見ていきましょう。

読書のカタチ「録音図書」

本屋さんで売られている本の多くは、目の見えない人や見えにくい人には読みにくかったり、読めなかったりします。そこで、耳で聴(き)いて読書ができるようにろう読し、その音声を録音した本が録音図書です。この本はふつうの本と違って、目次から自分の読みたいページに移動することができたり、読む速さを変えたりすることができます。

読書のカタチ「電子書籍しょせき

電子書籍(しょせき)とは、紙に印刷された本ではなく、パソコンやスマートフォンなどで読む本です。文字を大きく表示したり、図や表を拡大することができるため、目の見えにくい人でも小さい文字を読んだり、図や表をはっきりと見ることができます。また、紙の本と違って本屋さんに行かなくてもインターネットで本を買うことができるため、移動することがむずかしい車いすなどの人でもパソコンやスマートフォンが1台あれば、何十冊もの本を読むことができます。

読書のカタチ「大活字本」

大活字本とは、目の見えにくい人も読みやすいように、文字の大きさや行間などを調整した本です。ふつうの本と比べると文字の大きさが2倍くらいになっていたり、行間もゆとりがあったりと、目の見えにくい人も読みやすい本になっています。また、中には、黒い紙に白い文字の印刷で読みやすくした白黒反転本という本もあり、色の区別がむずかしい人でも本を読むことができます。

読書のカタチ「点字図書」

点字図書とは、目の見えない人が指で読む文字、「点字」で作られた本です。点字図書ではふつうの本にあるイラストやグラフなどは、点や点字で作られており、目の見えない人も読書を楽しむことができます。また、点字図書の一部には、目の見える人もいっしょに読むことができるように、点字にふり仮名が印刷されている本もあり、目の見える人も見えない人もいっしょに読書を楽しむことができます。

読書のカタチ「LLブック」

LLブックとは、スウェーデン語で「やさしく読みやすい本」という意味の言葉のりゃく語で、むずかしい漢字や長い文章は使われていません。文章だけではなく写真やイラストなどを使って、見ただけでもわかりやすい本です。行動を絵記号で説明できるピクトグラムも使われており、文字が読めなくても話の内容を理かいすることができます。