周りのおとな達へ

ヤングケアラーかもしれない
と思ったら

#小さな変化に気づく#相談できる環境

北陸学院大学教育学部幼児教育学科准教授
松本 理沙さん

「この子はもしかしてヤングケアラー*かもしれない」「同僚が家庭の事情で負担を抱えているのではないか」そんな風に感じたことはありませんか?
しかし、多くのヤングケアラーは、自分が特別な状況にあると認識していなかったり、相談することをためらっていたりする場合があります。そのため、周囲の大人が「もしかしたら?」と気づいたときに、適切な支援につなげられるかどうかが大切です。
では、ヤングケアラーを見守り、支えるために私たちができることは何でしょうか?

ヤングケアラーとは( 出展元:子ども・若者育成支援推進法 )「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者(おおむね30歳未満を中心とし、状況等に応じて40歳未満の者も対象となりうる)」のことを言います。

無理に話を聞き出さず、信頼関係を築く

ヤングケアラーにとって、自分の状況を周囲に打ち明けることは簡単ではありません。「家のことを話すのは…」「誰かに迷惑をかけたくない」「話しても解決できないかも」と考え、悩みを打ち明けることをためらう場合があります。そのため、気になる子どもや若者がいても、無理に話を聞き出そうとするのではなく、「困ったときは教えてね」「何かあればいつでも言ってね」と伝えることが大切です。日常的に、雑談も含めて気軽に話せる雰囲気を作ることで、本人が「話してもいいのかな」と感じられることが大事です。

小さな変化に気づく

ヤングケアラーは、日常生活の中でさまざまな負担を抱えていることがあります。そのため、学校や職場で次のような変化が見られた場合は、何か事情があるかもしれません。

  • 学校や職場での遅刻や欠席が増えた
  • 授業中や仕事中に眠そうにしていることが増えた
  • 友だちや同僚と過ごす時間が減った
  • 課題の提出や業務の進行が遅れるようになった
  • 食事を摂る時間がなくなった、疲れているように見えることが増えた

こうした変化が見られる場合、家庭の事情で負担を抱えている可能性があります。直接的に「家のことで忙しいの?」と聞くのではなく、「最近、疲れているみたいだけど無理してない?」とさりげなく声をかけることで、話しやすい環境を作ることができます。

相談できる環境があることを伝える

ヤングケアラーやその家庭の多くは、様々な相談窓口や支援を知らないことがあります。もし「この子はヤングケアラーかもしれない」と感じたら、相談窓口や支援団体の情報を伝えることも支援の一つです。
「こういう相談方法もあるみたいよ」とさりげなく情報を伝えることで、本人や家族が支援を受けるきっかけを作ることができる場合があります。

本人の意思を尊重し、
できる範囲でサポートする

ヤングケアラーの中には、家族の世話をすることにやりがいや責任感を持っている人もいます。そのため、「手伝わなくてもいいよ」「もっと自由に生きるべき」と押しつけることは、本人にとってストレスになることがあります。
大切なのは、本人がどうしたいのかを尊重しつつ、負担を軽くする方法を一緒に考えることです。本人の気持ちに寄り添いながら、「どんなサポートがあれば助かる?」と尋ねることが、本人にとって適切なサポートにつながります。

継続的に気にかける

ヤングケアラーの状況は、家庭の事情によって日々変わることがあります。そのため、一度だけ声をかけて終わりにするのではなく、定期的に声をかけることも大切です。
たとえば、学校の先生であれば成績や出席状況を見て確認することができる場合もありますし、職場の同僚であれば「最近、無理していない?」と定期的に声をかけることができます。
「話したいときに話せる」環境を作り、継続的に見守ることで、ヤングケアラーが「自分は一人ではない」と感じられるようになります。

あなたの気づきが支援の第一歩に

ヤングケアラーを支えるために、特別な資格や専門知識が必要なわけではありません。「気づくこと」「話しやすい環境を作ること」これらは誰にでもできる支援です。
もし、あなたの周りに「ヤングケアラーかもしれない」と思う子どもや若者がいたら、まずは気にかけることから始めてみてください。あなたの小さな行動が、誰かの大きな助けになるかもしれません。

  • 知ってもらいたいこと

    プレイ

石川県では、ヤングケアラーに関する相談窓口として、LINE公式アカウント「いしかわヤングケアラーチャンネル」を開設しています。また、各市町では「ヤングケアラー相談窓口」を設けています。「家族のケアと大学生活や仕事の両立に悩んでいそうな方を知っている」、あるいは「地域の子ども・会社の同僚などがヤングケアラーかもしれない」と感じた方は、ぜひ相談窓口をご活用ください。
相談内容はどんなささいなことでも問題ありません。気軽に連絡してみてください。

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