辰巳櫓跡

本丸の東側の一部を「東ノ丸」、西側の一段低い所(三十間長屋がある所)を 「本丸附段」と呼んだそうだが、その東ノ丸に辰巳櫓、丑寅櫓の跡がある。
かつてはこの二つの櫓の間に中櫓があり、百間堀に面した高い石垣の上に三つの 櫓が聳えていたが、中でも辰巳櫓は本丸の中で、三層櫓以外では最も目立つ存在だったと云われている。
辰巳は天守閣から見て南東の方角、丑寅は北東の方角、戌亥は北西の方角のことで、 辰巳櫓、中櫓、丑寅櫓は、百間掘を挟んで、金沢城の一番の弱点である小立野台地(兼六園方向)に 睨みを利かせ、戊亥櫓は二ノ丸を始め、城内全部に目を光らせたのでしょう。