駅の中は階段が多いため、車いすの人が電車を利用する時にはエレベーターが必要になります。最近はエレベーターのある駅が増えてきました。お年寄りや体の不自由な人、足をケガした人、ベビーカーを使っている人などもエレベーターが必要になります。駅のエレベーターは必要な人を優先し、階段を使える人は利用をひかえましょう。

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駅の中は階段が多いため、車いすの人が電車を利用する時にはエレベーターが必要になります。最近はエレベーターのある駅が増えてきました。お年寄りや体の不自由な人、足をケガした人、ベビーカーを使っている人などもエレベーターが必要になります。駅のエレベーターは必要な人を優先し、階段を使える人は利用をひかえましょう。
駅のホームは、線路に落ちたり、電車にぶつかったりすると大ケガにつながる場所です。目の不自由な人が足をふみはずして線路に落ちてしまう事故も起きています。ホームドアは電車に乗り降りする時だけ自動で開き、利用者の安全を守るために設置されています。石川県には金沢駅の新幹線ホームにあります。
電車やバスには、お年寄りや体の不自由な人、赤ちゃんをだっこしている人、妊娠(にんしん)している人などのために優先席が設けられています。優先席マークがある座席には必要な人に座ってもらうようにしましょう。ちなみに優先席が日本の鉄道で初めて使われるようになったのは1973年の「敬老の日」で、当時は「シルバーシート」と呼ばれていました。
車いすの人やお年寄りも移動しやすいように、階段の横にゆるやかな坂(スロープ)がつけられています。車いすの人はスロープがあっても自力でのぼれないことがあるので、後ろからおして手伝うことも必要です。手すりは、足が弱っている人が歩く時に体を支えるために階段や通路などにつけられています。
耳が不自由な人にテレビを楽しんでもらうために、ニュースの解説やドラマのセリフなどの音声を文字にして画面に表示するテレビ放送があります。テレビのリモコンにある字幕ボタンで字幕の表示を切りかえることができます。目の不自由な人にもドラマや映画を楽しんでもらうために、副音声のナレーションで映像(出演者の表情や動きなど)を説明するテレビ放送もあります。テレビのリモコンにある音声ボタンで副音声に切りかえます。
車いすの人は高いところにあるものを取るのが難しいです。低すぎても手が届かないことがあります。車いすからの目線だと高い商品が見えにくいことも多いです。買い物の時には車いすの人の求めに応じて、商品のある場所を教えたり、高いところにあるものを取ったり、買い物カゴを運ぶ手伝いをしたりすることも大切です。
肺の病気で呼吸することが難しい人には、酸素を吸入するための酸素ボンベが必要です。タイヤのついたカートやリュックで持ち運べる小型の酸素ボンベを使うと外出することができます。酸素は物を燃やしやすいので、近くでタバコを吸う人がいると危ないです。肺が弱いとウイルスにも感染しやすいので、マスクなどによる感染対策も必要です。
耳マークは、耳が不自由なことを表し、聞こえない人、聞こえづらい人に配りょするためのマークです。耳の不自由な人と会話するには、手話や書いて伝える筆談(ひつだん)という方法があります。耳マークは「耳の不自由な方はコミュニケーションに配りょします」と呼びかけるマークとして、銀行や郵便局、病院などの窓口で見られます。
盲導犬は、目の不自由な人が行きたい時に行きたい場所へ出かけられるように、障害物をさけたり、段差や角を教えたり、安全に歩くためのお手伝いをします。いっしょに電車やバスに乗ったり、お店に入ったりすることができます。盲導犬はペットの犬ではなく、目の不自由な人の歩行を助ける大切なパートナーです。盲導犬などのほじょ犬と出かけている人をやさしく受け入れられるよう「ほじょ犬マーク」もお店に表示されています。
電気のみで走る電気自動車は排気(はいき)ガスを出さないため、環境(かんきょう)だけでなく、肺に障害がある人にもやさしい自動車です。自動車後部についているマークは「身体障害者マーク」といい、体の不自由な人が運転する車につけます。まわりの車は、このマークをつけた車に配りょすることになっています。
義足は事故や病気などの理由で足の一部を失った人が足の機能を取りもどすために使用する人工の足です。義足には足を補う部分や活動の目的などによりさまざまな種類があります。スポーツの義足はその競技に合わせて作られたもので、その形や機能も通常の義足とはちがっています。パラリンピックでは義足の選手が陸上などの競技で活やくしています。
車いすテニスは車いすに乗って行うテニスです。足に障害があっても車いすを操作することでテニスを楽しむことができます。車いすテニスのルールや使用するコートはふつうのテニスとほとんど同じですが、2バウンド以内の返球が認められているなど車いすのゲーム性を考えたルールに一部変こうされています。使用する車いすも競技用として素早く動き回れるように設計されています。
ノンステップバスはだれでも乗り降りがしやすいように、車体のゆかの高さを低くして車内の段差をなくしたものです。スロープの板を取り付けることにより、車いすの人もそのままバスの乗り降りができます。ゆかを低くすることで、車いすの人だけでなく、幼児やお年寄り、ベビーカーを使っている人なども乗り降りがスムーズにできます。
手話は手や表情を使って伝え合う言葉です。耳の不自由な人がコミュニケーションをとるために使います。ベンチに座っている2人は手話で会話をしています。みなさんも日常生活の簡単な手話を覚えて使ってみましょう。
多機能トイレは車いすの人が利用できるようにスペースが広く手すりもついています。出入りしやすいように自動ドアがついているトイレもあります。赤ちゃん用のシート、音声案内、専用の洗い場も備わったトイレもあって、赤ちゃん連れや必要な人が使いやすいように工夫されています。ふつうのトイレを利用できる人は、多機能トイレを使うことはひかえましょう。
車いすの人や小さな子どもも使いやすいように、商品の見える高さ、ボタンの場所、コインを入れるところ、商品を取り出す場所などが工夫されています。でも、すべて低い位置にあると、背の高い人が使いづらくなって困ります。どんな人にも使いやすく設計されたものをユニバーサルデザインといい、自動販売機もみんなが使いやすいデザインが考えられています。
体が不自由な人、お年寄り、妊娠(にんしん)している人、足をケガした人など、歩行が難しい人が車をとめるための優先スペースです。車いすの人は車の乗り降りに広いスペースが必要なため、広めにつくられています。必要な人が困らないように、歩行に不自由がない人は使わないようにしましょう。
ヘルプマークは、外見から分かりにくい障害などがあり、手助けや配りょを必要としている人が、助けてもらいやすくなるように作られたマークです。ヘルプマークを身に着けた人を見かけた場合は、電車やバスで席をゆずる、困っているようであれば声をかけるなど、思いやりのある行動をしましょう。
目の不自由な人にとって横断歩道をわたるのは不安です。白い杖(つえ)をもっている人がいたら、「だいじょうぶですか?」「お手伝いしましょうか?」と声がけしましょう。誘導する時は「手引きします」と言って、軽くひじの上やかたを持ってもらいます。誘導する人は、目の不自由な人の半歩前を歩くようにします。
目の不自由な人に歩行者用の信号が青になったことを、音で知らせてくれる信号機があります。交通量が多い大きな道路は「カッコー」、交通量の少ない小さな道路は「ピヨピヨ」の音でわたるタイミングを知らせています。音楽が流れるメロディ式のものもあります。
目の不自由な人の歩行をサポートするために地面に点字ブロックが設置されています。線の形で進行方向を示す「線状ブロック」と、点の形で注意を示す「点状ブロック」の2種類があります。目の不自由な人は、点字ブロックを確認しながら進むため、点字ブロックの上やその周囲にはものを置かないようにしましょう。
わたしたちの社会には、いろいろな仕事があり、障害のある人もない人も共に働いています。
例えば、目の見えない、見えづらい人の中には、資格を取って病院・かいごしせつ・会社などでマッサージの仕事をする人がいます。
障害によっては、できることとできないことがあるので、仕事をしやすい工夫や配りょが必要な場合があります。
障害のある人にとっても、障害のない人にとっても、一人ひとりが働きやすい環境(かんきょう)を整えることが大切です。