石川県立こころの病院

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蔦

アルコール依存症(生活習慣改善)治療

当院は、石川県依存症専門医療機関・治療拠点機関(アルコール健康障害・薬物依存症・ギャンブル障害)として、治療に取り組んでいます。

依存症対策について  ~石川県ホームページ

アルコール依存症治療

1.依存症とは
(依存症という病気と治療の考え方について ~患者さんやご家族、援助者の皆様へ~)

 ◆依存症という病気と治療の考え方について正しく理解する *詳細はこちら

 ◆物質がもたらす脳の変化と病的な渇望 *詳細はこちら

 ◆なぜ依存症になるのか・・・真の原因は? *詳細はこちら

 ◆命綱としてのアディクションとハームリダクション *詳細はこちら

 ◆家族・援助者に求められるもの *詳細はこちら

2.通院治療と入院治療(プログラム)

通院治療では専門外来(アルコール外来)での診察に加えて、入院者と合同で治療を継続させるためのテーマを決めた話し合いを行うプログラムをおこなっています。
入院治療は原則的にアルコール依存症専門病棟(開放病棟)で行います。ただし、病状・状態によっては治療の場を移すこともあります。本人の同意に基づく入院(任意入院)で、入院治療期間は原則約8週間です。集団の場でアルコール依存症の治療を行い、今後の長い断酒生活の基礎作りをします。

■1日のスケジュール

6:30起床
6:45~7:30整理・整頓
7:30~朝食・検温
9:00朝礼
9:30~11:30プログラム参加
12:00昼食
13:30~16:00プログラム参加
18:00夕食
17:30~20:30自助グループ参加のため外出(月・木)
21:00消灯

治療プログラム
        
サイコドラマ しらふでの自己表現が目的です。前半は体操やゲームでウォーミングアップをします。後半は寸劇の形でいろいろな役割を演じます。家族などの相手の感情や立場を感じることも課題です。(主な場面設定:「酒を勧められて断る」「依存症の家庭」「入院の経緯」など)
作業療法





(手工芸等)
作業療法士のもとで、ある作品を制作することなどを通して、規則正しい生活を身につけ、忍耐力・連帯感などを養い、達成感を味わうことなどを目標にします。
(運動プログラム)
長年の飲酒や不規則な生活等により、体力が低下しています。退院後の社会復帰のためにも、必要な体力を回復させるため簡単な運動を行います。

服薬指導





アルコール依存症の治療には、患者様の治療目標に合わせて抗酒剤や断酒補助剤の他、不安や不眠等の症状を軽減させる薬が用いられます。服薬に関する悩みや相談に薬剤師が対応し、安心して治療を継続できるようにサポートいたします。また、必要に応じてかかりつけ薬局と連携をはかり、とぎれのない薬物治療を目指します。
 アルコール依存症の薬物療法(厚生労働省e-ヘルスネット)
栄養指導

健康的な生活を送るために、退院後も断酒や節酒を継続させます。そのために必要な食生活・栄養面からのアプローチを一緒に考えます。
外来
入院者合同ミーティング
断酒を継続するために、外来通院者とともにあらかじめ決められたテーマについて話し合います。
勉強会 アルコール依存症についての講義を受けたり、飲酒にまつわることについての話し合いをしたりして学びます。
グループミーティング 様々なテーマについて自分の感情、考えを素直に表現し合う時間です。他の人の考えを聞くことで、客観的に自分を見つめ直すことができます。
GTMACK
(久里浜版
アルコール依存症のための
集団療法モデル)
今までの出来事や物事に対する認知(=見方や考え方、価値観、認識)を検討し、その認知を変えることで、これからの行動や生活を改善していこうとするものです。そして、さらに断酒継続に必要な実践的な対処技術を学んでいきます。
ウォーキング(冬季は作業療法) 健康的な生活を維持していくために、集団で助け合いながら約1時間から2時間ほど歩き、心身の鍛練を行うものです。自然に親しみ、健康的な汗を流し、良い思い出としましょう。基本的には天気に関わらず実行しますが、身体の状態などにより不参加になることもあります
内観 過去から現在に至るまでを振り返り、自分の身近な人たちとの関わりの中で「していただいたこと」「してかえしたこと」「迷惑をかけたこと」の年代を追って調べ、ありのままの自分を知るものです。
自治会活動 アルコール依存症という病気をもち、一緒に治療していく仲間として、規律ある集団生活を送る上で必要なものです。身の回りのことを自分で行うことで今までの家族との関係を考え、協調性を養います。
懇談会 自治会で話し合ったことや、秩序ある入院生活についての希望や意見を出し、検討します。治療スタッフ側からの連絡や問題提起も行います。
家族教室 家族を対象としたプログラムです。入院者の家族だけでなく通院者の家族も参加します。アルコール依存症という病気についての知識、治療、ならびに家族としての在り方を知ってもらいます。また家族が抱える問題を互いに出し合うことで、問題を共有し、悩みを軽減します。
*詳細はこちら
☆年間スケジュール
☆参加方法
自助グループ 断酒を継続している人々の自主的な集まりで、AAと断酒会があります。回復した人たちの姿を自分の目で見て、話を聞く中でアルコール依存症にも回復があることを実感してもらいます。月、木の会合に参加し、カードに捺印してもらいます。自助グループは、退院後の断酒生活の重要な足がかりとなります。
心理検査と心理面接(箱庭療法) 通常プログラム以外に行います。日程は別にお知らせします。
  1. WAIS-Ⅲ:知能検査。長期飲酒による機能の低下やバランスなどをチェックします。
  2. MMPI:断酒後の気分の状態や性格などをみます。
  3. 箱庭:砂の入った木箱の中に好きな玩具を置いて、自由に自己を表現します。特別な決まりはありません。その時に思いついた自分のイメージをゆったりと表現してみましょう。
酒歴発表 入院生活の総まとめとして、退院の週に行います。今までの飲酒生活を振り返り、退院後の生活に向けて気持ちを新たにします。

外来・入院者合同ミーティングのご案内

アルコール依存症外来患者様と入院患者様が意見交換できる場として、合同ミーティングを開催しております。テーマを決めて話し合い、アルコール依存症に対する理解を深めます。

外来・入院者合同ミーティングの詳細はこちら
3.アルコール依存症関連リンク
4.参考図書

 ・アルコール依存症 家族読本
  著者:猪野 亜朗
  発行:アスク・ヒューマン・ケア
 


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