菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓

間取図

1. プロローグ〜

金沢城公園の新しいシンボル、新しく復元された菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓へ、ようこそ。

の平面図の見たい場所をクリックすると写真と解説が表示されます。

 平成13年7月に完成した、延べ床面積1894.23平方mの復元建物で、石川門や三十間長屋と同様、鉛瓦や海鼠塀が外観の特徴です。
 明治以降に建てられた木造城郭建築物としては全国再最大規模で、大径木の事前調達や土台石垣の解体、修築を含め、平成10年3月から実に3年4ヶ月をかけて造られました。
 3層3階の菱櫓と橋爪門続櫓を2層2階の五十間長屋でつないでいます。これらの建物は、戦の際に二ノ丸を守るための施設で、石落しや鉄砲狭間となる格子窓、白塗漆喰壁や海鼠壁で防火構造になっている外壁がその強固さを示しています。
 菱櫓は大手と搦手を見張る物見櫓、橋爪門続櫓は二ノ丸大手の橋爪門枡形を見張る物見櫓、五十間長屋は武器等の倉庫でした。
 復元にあたっては、伝統的な木造軸組工法に加え、階段昇降機やエレベーターなどを設置し、二階まではバリアフリーとなっています。
 建物そのものが展示物で、内部の建物構造がわかる工夫やコンピューターグラフィックス映像、各種の模型、発掘調査出土品、音声ガイドなどを備えた展示施設となっています。
 また、この建物は、併せて復元した橋爪一の門や鶴の丸土塀、橋爪橋、内堀石垣と一体的にライトアップ施設が整備されています。三の丸広場でのナイトイベント時に是非ご覧ください。

2. 菱櫓1階〜

高さ11.7mの石垣の上に建築されており、3階建で、約17mあります。「櫓」とは「矢の倉」とも云われ、武器の倉庫の意味ですが、ここ菱櫓は主に周辺を見張る役割を担っていました。

菱櫓という名前の通り、建物の平面は菱形で、四隅の内角は夫々80度と100度になっています。建物が菱形の場合、柱も菱形です。
この部屋の中に立っている4本の長さ14m、太さ33cmの桧の「通し柱」を始め、使われている凡そ100本の柱も菱形で、これらを使っての建築には大変な技術を要します。

3. 菱櫓2階〜

石川門は搦手(からめて)門、つまり金沢城の裏門です。裏門でありながら、特に堅固に造ってあるのは 小立野方面からの攻撃に備えたもので、ここが金沢城の一番の弱点で、攻撃されやすい場所だと考えられていたからです。 石川門の最大の櫓(石川櫓)も菱形になっており、石落しも設けられています。

4. 五十間長屋2階〜

ここ「五十間長屋」は武器等を保管する倉庫と城壁の機能とを兼ね備えた2階建ての建物です。ここには天井板が貼ってないので、大きな松の木の梁など、その木組みをそのままご覧いただけます。木と木は、鉄のクギやボルトで留めるのではなく、木材に「仕口」や「継ぎ手」、或いは「ほぞ」や「ほぞ穴」と呼ばれる凹凸を造って組み合わせ、 木で作ったクサビを打って外れないようにしてあります。 今回復元された一連の建物は、日本古来の柱と梁・桁を持つ「木造軸組工法」と呼ばれる方法で建てられ、それに、土壁と貫(ぬき)という柱と柱を繋ぐ横木を組み合わせた「耐力壁」によって構成され、 地震に対してもきわめて丈夫な構造になっています。

5. 橋爪門続櫓2階〜

ここは「橋爪門」を見下ろす位置にあり、三の丸から「橋爪橋」を渡り、「橋爪門」を通って、 二の丸へ向かう人々を監視するための重要な櫓で、「橋爪櫓」とも呼ばれていました。