活動インタビュー

九谷塾

加賀歴史・景観

伝統技術の粋を集め、未来につながる九谷焼を創造
九谷塾は、どのような活動に取り組んでいるのですか。
私たちは、九谷焼のDNAを継承し、その技能を生かして現代のライフスタイルに合った作品を提案する創作集団です。例えば、開発した作品として、平成21年に発表した「SKIP」シリーズがあります。SKIPは「Super Kutani Insect Project」の略で、カブトムシやクワガタなどの実寸大の精緻な造形に「金盛」や「細描」など、廃れつつあった多様な技法を緻密に盛り込み、鮮やかな色彩に仕上げたものです。24年には、高岡銅器の職人の方々とタッグを組み、精密で繊細なボディに九谷焼で表現した蟷螂(かまきり)のシリーズも手がけました。都市部の百貨店や商業施設などで開いた展示販売会では、来場者の方にとても喜んでいただき、九谷焼の新たな一面を発信できたと思っています。また、これらの活動が縁で、玩具メーカーのタカラトミーとつながりが生まれ、全面協力のもと、22年に九谷焼チョロQも制作しました。しかも、ボディデザインは所ジョージ氏で、この心躍るコラボレーション作品は、日本最大の玩具見本市「東京おもちゃショー」で発表され、大きな注目を集めました。

九谷塾には、問屋さんや窯元、絵付け職人とさまざまな立場の方が参加されています。結成の経緯を教えてください
九谷焼は、古くから問屋を介して窯元が素地を作り、それに絵付け職人が加飾することで完成します。分業によってエキスパートの技を融合する点が九谷焼の一つの魅力ではあるのですが、工程の複雑さから時代の急激な変化に対応しにくいという難点もあります。産業として、現代のライフスタイルに合った作品を生み出す力を身につけるため、これら三者が集まり、平成18年に九谷塾を結成しました。私たちの使命は、「今の時代に語りかけることができるモノ」「九谷焼の歴史を後世に継承することができるモノ」を創造していくことだと考えています。

プロジェクトイメージ写真 プロジェクトイメージ写真


時代に合った作品を生み出し続ける九谷塾では、グローバル社会を見据え、海外への展開も図っているそうですね。
ええ。平成22年のアメリカ・サンフランシスコを皮切りに、ニューヨークやフランス・パリなど、海外でも積極的に展示会を実施しています。26年には、オーストリアのウィーンやイギリスのロンドンを巡る欧州視察も行いました。この視察は、欧州のメーカーとの連携や、付加価値の高いアート市場への参入の可能性を探るのが目的でした。同年夏には、在英日本大使館が「GOLD」をテーマに開いた展示会にも出品させていただき、海外進出にも手応えを感じています。