令和元年9月4日に熊本県熊本市で、SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク(JNPSI)の令和元年度定期総会を開催し、同市にて開催された、IPSI公開フォーラムへ参加しました。 また翌9月5日には同県阿蘇市にてエクスカーションを開催しました。
<SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク令和元年度定期総会>
日 時 : 令和元年9月4日(水)12:50 〜 14:20
場 所 : ホテルメルパルク熊本(熊本市中央区水道町14−1)
内 容 :
・平成30年度事業実績報告および令和元年度事業計画について
・せいかリレーについて
・エコプロ2019への出展について
・近況報告
<IPSI公開フォーラムへの参加(JNPSIの事例発表)>
日 時 : 令和元年9月4日(水) 14:30 〜 17:30
場 所 : ホテルメルパルク熊本(熊本市中央区水道町14−1)
内 容 :
IPSIメンバー、一般参加者等、国内外の専門家が、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)の評価プロセスを含む、SATOYAMAイニシアティブにまつわる幅広い知見を共有し、参加者間で、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の活性化と持続可能な管理について議論しました。
※参考:SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)HPより
https://satoyama-initiative.org/events/2-6-september-2019-the-eighth-ipsi-global-conference-ipsi-8-and-thematic-consultation/
●開会挨拶
・竹本 和彦 国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)所長
・鳥居 敏男 環境省自然環境局長
・田嶋 徹 熊本県副知事
●基調講演
・「ポスト2020目標達成における社会生態学的生産ランドスケープ(SEPLS)の役割」
武内 和彦 (国連大学サステイナビリティ高等研究所上級客員教授、東京大学未来ビジョン研究センター特任教授、公益財団法人 地球環境戦略研究 機関理事長)
・「生物多様性に関する2020年以降の世界目標に向けた検討プロセス」
カリダッド・カナレス・ダビラ(生物多様性条約事務局 農業・生物多様性及び内陸水担当官)
●パネル討論
・「IPBESグローバル評価レポートにおけるランドスケープアプローチ」 スニーサ・M・サブラマニアン(国連大学 主任客員研究員)
・「阿蘇地域創造的復興に向けた地域循環共生圏構築の試み」 福崎 稔(東海大学 九州教養教育センター主任、東海大学 文明研究所九州分室 分室 長、理学博士)
・「ランドスケープアプローチと農業生物多様性」 アニル・ナデサ・クマール(スワミナサン研究財団 事務局長)
・「世界農業遺産『阿蘇の草原の維持と持続的農業』」 木庭 正光(阿蘇地域世界農業遺産推進協会 事務局長)
・「南阿蘇地域におけるランドスケープアプローチの実践」 大津 愛梨((一社)GIAHSライフ阿蘇 理事長、オーツーファームO2farm、NPO法人田舎のヒロイ ンズ 理事長、(株)里山エナジー代表取締役)
・モデレーター: 瀧口 博明(国連大学サステイナビリティ高等研究所プロジェク ト・ディレクター、IPSI事務局長)
写真1:IPSI事務局による挨拶(国連大学:竹本 和彦)
写真2:パネルディスカッション(左:国連大学、右:東海大学)
写真3:公開フォーラムでのパネル展示
<SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク エクスカーション>
日 時:令和元年9月5日(木) 7:20 〜 15:30
場 所:阿蘇草原保全活動センター(阿蘇市)ほか
内 容:
●「阿蘇の地形の地理的な概要」 (環境省:阿蘇くじゅう国立公園管理官事務所)
・阿蘇の牧野とカルデラの中の人の生活圏、その間にある植林地が一望できる場所で、阿蘇の環境や、地形の成り立ちについて解説いただいた。また、 草原の活用法や牧野の維持管理について解説いただいた。
・大観峰に向かうまでに、大規模な太陽光パネルが目についたり、大観峰からも風力発電の風車が見えたりしたことを気にする声があった。
写真1)阿蘇の大観峰
●「自然再生事業の全体像、取組概要」(環境省:阿蘇くじゅう国立公園管理官事務所)
「ボランティア、募金の取組等」(公益財団法人 阿蘇グリーンストック)
・阿蘇の草原・牧野の現状と、阿蘇草原再生協議会の取り組みを紹介いただいた。協議会では5つの小委員会を設け、様々な活動を計画、実施し、活動 事例報告書を作成し、表彰制度も設けているとのこと。
・牧野を維持管理するためのボランティア活動や自然保全事業について解説いただいた。
・ネットワークメンバーからは、牧野の価値についての質問や、ボランティアの宿泊先としてのグランピングの提案などがあった。
写真2)阿蘇草原保全活動センター
●「草原保全活動の紹介」(牧野組合長 市原 啓吉)
・町古閑牧野を一望できるポイントから、牧野の利活用の現場視点での解説をいただいた。野焼きされなくなった牧野も見え、遷移の様子がわかる。
・現場でも、牧野ガイドを養成したり、冬季の牧野に観光客を入れるために防疫措置に取り組んだりとさまざまな活動をおこなっているとのこと。
写真3)町古閑牧野