平成30年9月30日に石川県金沢市で、SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク(JNPSI)の平成30年度定期総会を開催し、同市にて開催された、IPSI公開フォーラムへ参加し、当ネットワークの事例発表をしました。 また翌10月1日には同県小松市にてエクスカーションを開催しました。
<SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク平成30年度定期総会>
日 時 : 平成30年9月30日(日)12:50 〜 14:20
場 所 : 金沢ニューグランドホテル(金沢市南町4−1)
内 容 :
・平成29年度事業実績報告および平成30年度事業計画について
・規約の改正について
・活動事例集について
・にじゅうまる宣言の収集状況について
<IPSI公開フォーラムへの参加(JNPSIの事例発表)>
日 時 : 平成30年9月30日(日) 14:30 〜 17:45
場 所 : 金沢ニューグランドホテル(金沢市南町4−1)
内 容 :
IPSIメンバー、一般参加者等、国内外の専門家が、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)の評価プロセスを含む、SATOYAMAイニシアティブにまつわる幅広い知見を共有し、参加者間で、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の活性化と持続可能な管理について議論しました。
JNPSIの事例発表では、JNPSIの活動紹介と、当ネットワークによる参加をきっかけに、企業同士がパートナーシップを形成し、生物多様性保全活動等に取り組んでいるという優良事例として「生物多様性 びわ湖ネットワーク」様の活動紹介を世界に発信しました。
※参考:SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)HPより
https://satoyama-initiative.org/ja/30-september-2-october-2018-the-7th-ipsi-global-conference-ipsi-7/
●開会挨拶
・竹本 和彦 国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)所長
・正田 寛 環境省自然環境局長
・谷本 正憲 石川県知事(代読:石川県企画振興部長 吉住秀夫)
●基調講演
・「SATOYAMAイニシアティブの生物多様性愛知目標及び持続可能な開発目標(SDGs)への貢献」
武内 和彦 (UNU-IAS上級客員教授、 東京大学サステイナビリティ学連携研究機構長、公益財団法人 地球環境戦略研究機関理事長)
・「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学‐政策プラットフォーム(IPBES)地球規模アセスメントの概要」
エドワルド・ブロンディジオ(インディアナ大学教授、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)地球規模アセスメントレポート共同議長)
●パネル討論
・「マルチスケール・シナリオ分析から見る今後の自然環境」サイモン・フェリエール (オーストラリア連邦科学産業研究機構上級主席研究員、オーストラリア国立大学教授、国連環境計画世界保全モニタリングセンターフェロー)
・「SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS):コミュニティの活動による愛知目標への貢献」 渡辺 陽子(国連開発計画(UNDP)グローバル・マネージャー)
・「SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワークの取組」佐々木 真二郎(SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク事務局、福井県 安全環境部 自然環境課長)、宮原 義則(生物多様性 びわ湖ネットワーク、積水樹脂株式会社 生産技術部 品質管理グループ長)
★SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワークの取組(PDF)
★生物多様性 びわ湖ネットワークの活動紹介(PDF)
・「里山の持続可能な保全を目指した珠洲市における取組み」 宇都宮 大輔(珠洲市自然共生室 自然共生研究員、金沢大学環日本海域環境研究センター 連携研究員)
・モデレーター: 瀧口 博明(国連大学サステイナビリティ高等研究所プロジェクト・ディレクター、IPSI事務局長)
【JNPSI事務局及び生物多様性 びわ湖ネットワークの事例発表】
【パネルディスカッション(JNPSI:佐々木課長、積水樹脂梶F宮原氏)】
【公開フォーラムでのJNPSIメンバーによるパネル展示】
<SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク エクスカーション>
日 時:平成30年10月1日(月) 9:00 〜 15:00
場 所:小松市滝ケ原町ほか
内 容:
こまつSATOYAMA協議会様、および小松市様のご協力のもと、小松市内の里山保全団体の活動地の見学、小松市の取り組みや施設などを見学させて頂きました。里山の資源や文化を活かしながら、多様なセクターが協働して地域を活性化させる取り組みを見学しました。
◆「里山自然学校こまつ滝ケ原」について◆
・里山自然学校こまつ滝ケ原(こまつSATOYAMA協議会事務局)は、地元に残る地域資源を活かした地域づくりに取り組んでいる団体を有機的に連携させ 、里山資源の保全や地域振興を目的に平成22年8月に発足しました。
・滝ケ原は、石切場や石橋、鞍掛山等、里山の文化や原風景を留めた地域です。
【里山自然学校こまつ滝ケ原学校長 川畠氏(左)、こまつSATOYAMA協議会長生水氏(右)】
◆滝ヶ原町石切り場ガイド◆
・滝ヶ原町の石切り場から切り出された石材は、市内の建造物をはじめ、国会議事堂や甲子園会館など、全国の数々の有名建築物にも使用されています。
・滝ヶ原地区には明治期以降に作られたアーチ型石橋が6橋残されています。
【滝ヶ原観光ネットワーク 山下氏による石切り場ガイド】
◆トンボの楽園視察◆
・希少種「ハッチョウトンボ」や「ホトケドジョウ」が生息しています。
・県内の大学生等と連携した生態系調査や環境保全活動を行っています。
【トンボの楽園ビオトープの見学】
◆Takigahara farm・caféの視察◆
・企画運営をNPO法人で行っており、古民家を改修し、地域住民と協力しながら農泊施設を運営しています。
【Takigahara farm・café小川氏による紹介】
◆里山食堂(里山自然学校こまつ滝ケ原)◆
・里山食堂では、里山で採れる旬の食材(山菜や野菜等)を使った郷土料理を提供しています。
【地元食材がふんだんに使われている】
◆日用苔の里◆
・苔の里は、湿度が高く苔が生えやすい環境であり、地域住民の生活(枝打ちや落ち葉かき)により苔が枯れずに育っています。
・生活様式の変化した現代も、地域の人々やボランティアの管理によって苔庭を維持しています。
【日用苔の里整備推進協議会長氏による紹介。苔が地面一面に広がり、美しいわび・さびの景観を形成している】
◆里山健康学校せせらぎの郷◆
・小松市が所有する里山の地域資源を活用し、交流人口拡大を目的に設置した農業体験施設や温浴施設等の複合施設です。
・平成29年のリニューアルにより、木質バイオマス温水ボイラーを中心としたCO2削減モデルの温浴施設を稼働させています。チップ燃料は未利用間伐材を活用しています。
【小松市農林水産課平嶋氏によるバイオマスボイラーの説明】
◆農口尚彦研究所◆
・現代の名工で知られる、農口尚彦氏が平成29年に杜氏として復活し、開業した酒造メーカーです。
・テイスティングルームでは、小松市の田園風景を眺めながら、試飲ができます。
【テイスティングルーム「杜庵」で説明を頂く】