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除雪作業の現場から
   

 除雪担当者名:梨子村 光明
 担当地区   :県央土木総合事務所管内
 除雪経験年数:15年

 近頃思うようになってきた
 また、「この季節」がやってきた。毎年のことであるが、Tシャツで過ごすには少し肌寒くなってくる頃、通常の業務をこなしながら、頭の片隅にはいつもモヤモヤと(除雪のことが)渦巻いている。
「ねー!12月にあの人のコンサートあるよ!」「あー、12月?無理やわ。」
「年末に同窓会やるんやけど、参加できる?」「年末か~、待機指示掛かるかもしれんし欠席で~。」
「お父さん!週末スキー連れてって!」「天気予報見てみたけど週末荒れそうやし、また今度な。」
毎年のことながら、なんだかトホホな気分になる。
 25歳で免許を取得してから『除雪業務』に携わるようになり、毎年やってくる「この季節」。僕らは「お出掛け」の予定を立てることが出来なくなる。
 10月末に行われる「除雪業務出発式」が終わり、「今年はなーんも(雪)降らんがんじゃない?」なんて、仲間が冗談を言い出す11月下旬が僕のシーズンの始まり。例年、最初の寒波がやってくる。「勤労感謝の日」に近い頃、「勤労」に「感謝」しながら、シーズン最初の「真夜中勤務」に出掛けるのである。
 通常業務をこなし、寸暇の仮眠のあとの真夜中勤務は、重いまぶたとの闘い。窓を開けてリフレッシュを試みたり、缶コーヒーを飲んでみたり、それでもダメなら停車し、外でラジオ体操なんて事も。東の空が白む頃、這々の体で帰社。少しの休憩を取って、新しい一日(通常の業務)が始まるのです。
 昼も夜も無く働き続けた「この季節」も早15年、大変なシーズンを過ごしてきたと思う。
「そんなに言うなら辞めれば良いじゃん」と、思う人がいるかもしれないけど、
 コンコンと雪が降る真夜中の除雪作業、
 轍にスタックして進めなくなる車
 明日の朝までに届けなきゃいけない荷物を積んで凍結した峠道を越えられないトラック
 スリップ事故でガードレールを突き破って大破した車
 災害現場に現着できない緊急車両 など、
 雪の多い年も、少ない年も、色々な現場に遭遇し、目撃してきた。
「もう少し早く除雪できていたら・・・。」と思うこともあった。
 年齢を重ね、少しずつ自分がやっている事の重要性を感じるようになってきた。
「道路は車が走れて当たり前!」
 と、みんなは思うかも知れないけど、雪が積もったり路面が凍結したりと、道路の状況は常に変化するもので、「特別」と僕は考えるのです。
 ただ、利用する人には「特別」と思わせたくないし、いつでも安心して利用できる道路環境を維持したい!という「ジコマン(自己満足)」な「プライド」もある。 
 「道路は車が走れて当たり前!」
 みんなにそう思ってもらえる事が毎年除雪業務に携わるエネルギー源なのだと近頃思うようになってきました。

 除雪担当者名:奥 悠佑
 担当地区   :県央土木総合事務所管内
 除雪経験年数:4年

 雪が降らなくても!?
 自分が除雪業務に従事して今年で早5年(いや、まだまだ5年目)の冬に入ろうとしています。弊社の除雪内容は、平野部幹線道路での除雪作業と平野部から山沿いにかけての凍結防止剤の散布作業を行っています。
 雪が降り積雪になれば当然のごとく除雪になります。しかし、凍結防止剤散布(通称:塩撒き)はそうはいきません!
 入社当時は除雪指示書を見て『えっ?なんで晴れんのに塩撒きあんの?』『今晩も塩撒きあんの?』なんて思ったものでしたが、今となってはそこに危険が潜んでいたのです。そう、それがあの放射冷却現象になりえる状況だったのです。
 雪が降らなくても、雪解けなどの路面状態、晴れていても気温の変化によってなど様々な場合に塩撒きがあるのです。凍結防止剤散布の有無の決定をされる担当者さんも、責任重大で大変ご苦労されているかと思います。
 車を運転される方は、もし黄色い散布車を見かけたら『んっ?今日はもしかして路面凍結するの?』、路面が濡れていたら『凍結しているかも?』なんて気にかけて頂けたら・・・。
 あ~ぁ、これから冬本番。今回はどれだけ冷え込む日が・・・なんてことは言ってられません!
 皆さんが安全に通勤・通学そして事故なく無事に帰宅できるよう、除雪・塩撒き共に気を引き締めて安全作業をしていきたいと思います。


             


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