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除雪作業の現場から

除雪担当者名:谷口 大介
担当地区:県央土木総合事務所管内
除雪経験年数:8年

冬将軍に打ち勝つために
 金沢市内北部方面の除雪は、富山県小矢部市を結ぶ国道359号と、南砺市とを結ぶ国道304号があり、交通アクセスを確保する中でも最も重要な路線があります。我社の除雪の歴史は昭和40年代初めからで、先代社長がこれからは土木も機械が主流という先見からでした。
 除雪作業は、除雪したあとを通る人みんなが喜びを共有してもらえることにより、早朝からの重労働を忘れさせてもらえます。作業中に『ご苦労さん』と声をかけてもらえたときなんかは格別で、わずかですが社会貢献ができたという実感が湧いてきます。そのあとも、背中を押される様に作業が進みます。
 また、交通障害を最小限に抑えるため、深夜から朝7時までには作業を終了しなければなりません。降り積もる雪の中、各作業員は定められた時間の中で、最良のチームワークで作業をおこない、交通アクセス確保に際して、早く・良く・安全にを心がけ、雪を横にださない・圧雪の路面を起こす・凍った路面の整正等々の装置のついた機械を、効率良く選定し、冬将軍に打ち勝つために頑張っています。
 いろいろありますが、今年も早く・良く・安全にを心がけ、少しでもお役に立てればという思いでがんばります。一段と皆様のご協力・ご支援を宜しくお願い申し上げます 。

除雪担当者名:岡嶋 政範
担当地区:南加賀土木総合事務所管内
除雪経験年数:43年

冬が大嫌い、それでも除雪歴40年
  私は冬が大嫌いです。雪が降るからです。
朝3時前後に電話の音。 山のほうには10cm以上の積雪とのこと。除雪依頼です。
目をこすりながら外に出ると、家の前では5cm前後の積雪あり。
ひとけの無い夜道を車で除雪車まで向かい、除雪車のエンジンを駆けます。
エンジンは私の気持ちとは裏腹に、機嫌よくブルブル音をたてます。作業員の到着まで暖機運転です。
助手席に乗り出発し、1時間ほどで何時ものおばあちゃん家前。今日は電気がついて無い…
いつもどんなに早くても出て来てくれるのに… 何かあったのかな?
そんな心配もよそに、帰りにはおばあちゃんのいつもの笑顔と姿、それと手には缶コーヒが。
「はよからご苦労さん」と頂く。 2・30年前まではこんな人がいっぱいおられ、 「ご苦労さん」と声を掛けてもらったりして、がんばってこられたのに… 過疎化が進みおばあちゃん一人、でもおばあちゃんのにこにこ顔を見るとやってて良かったと思い、冬がちょっとだけ好きになる。
年を重ねると除雪は大変つらいですが、体に気をつけ後数年がんばろうかな。
AM 7:30 除雪作業終了。

除雪担当者名:小田 吉三郎
担当地区:南加賀土木総合事務所管内
除雪経験年数:24年

私の心の支え
 路面凍結防止材散布作業は、今ではどの委託業者も散布車にて行っていますが、私が散布業務を始めた頃は人力散布の業者も数社居られました。もう、随分昔の話になりますが私もその1業者でした。
 人力散布と云うのはトラックの荷台から相撲取りの水戸泉あるいは花咲か爺さんよろしく、原塩を鷲掴みにし、路面に扇型に大きく広く撒く作業です。冷え込んだ冬の早朝ではかなりキツイ作業でした。起きたばかりですので体は硬く冷えていますから、なかなかスムーズに行きません。でも2・3箇所作業をすると体も温まり、思ったよりも寒さは感じません。しかし、運転手は違います。荷台の作業員との合図や呼吸を合わす為ヒーターを止め、窓を開け放しにして路面と荷台に神経を集中させます。今にして思えば、よくやってこられたなぁと云う思いです。
 それを今日まで続けられたのは、あるシーンが心に焼き付いているからです。そのシーンは符津の跨線橋でのことです。我々は8号線側から散布しながらゆっくりと上って行きます。頂上を過ぎたあたりで反対側から上ってくるタンクローリのトレーラーと出会います。最初、私は背中を向けて散布作業をしていますから気付かなかったのですが、トレーラーの運転手がすれ違い様、寒いにも拘らず窓を開けて身を乗り出すように手を振り「いつもありがとう、今年もお願いします!!」と声を掛けてくれました。はっとして見ると若い方のように見えました。胸がジーンとした瞬間でした。えっこんな事ってあるんだと本当に驚いた瞬間でした。トレーラーにしてみれば、凍結した下り坂は大変危険で神経を使う道路なのでしょう。そこへ我々が散布作業によって少しでも危険を減らしている事を理解していただいてるので「ありがとう」となったのだろう。それ以後毎年、大体同じタイミングで声を掛けていただきました。こちらこそ「ありがとう」です。凍結した冬道の怖さを充分理解している方々からの評価なので本当にうれしいし、光栄であります。
 今では散布車でさっと通り過ぎる箇所ではありますが、ここを通る度に思い出すシーンです。凍結の怖さを知らずに運転している人、自分を過信して運転している人、事故を起こしている場面、田んぼに飛び込んでいる車を見る度に我々の作業が必要だなと感じます。そしてトレーラーの運転手のように我々を評価し、感謝してくださる人がおいでる事を励みにしてこれからも元気で続けて生きたいと願っています。


             


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