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乳腺・内分泌外科

○トピックス
 乳房再建について
 内視鏡手術について
  乳がんの内視鏡手術について

 

乳房再建について

2013年7月に乳房再建認定施設となりました。
人工乳腺による乳房再建を保険適用で行うことができます。
詳しくは担当スタッフまでご相談ください。

内視鏡手術について


 前述したように、消化器外科では内視鏡を用いた手術を積極的に取り入れています。この手術は、内視鏡手術または腹腔鏡下(ふっくうきょうか)手術といわれています。消化器内科の医師が行う胃内視鏡(胃カメラ)や大腸内視鏡(大腸カメラ)は胃の中、大腸の中に内視鏡を挿入し、診断、治療を行います。消化器外科では内視鏡手術は腹腔内(おなかの中)、胸腔(胸の中)に内視鏡を入れて手術をします。
 従来の手術では、おなかを大きく切り開いて胃や大腸などを切除する方法が一般的でした。しかし、傷が大きいため、手術後しばらくの間、激しい痛みがありました。また、はっきりと目立つ傷跡が残ります。

 1980年 台の後半に腹腔鏡下手術は始まりした。腹腔鏡とは、太さ5〜12mmの棒状のテレビカメラのことです。手術室内のテレビ画面に腹腔内の映像を大きく鮮明に映し出す装置です。最近はハイビジョン映像で映し出され、拡大することができるので、肉眼で見るよりもはるかにきれいに血管、神経、リンパ節,筋肉が観察できます。外科医はその画面を見ながら5〜1mmの特殊な手術器具を使って,精細な出血の少ない手術をおこないます。当科では手術の第一選択は腹腔鏡下手術です。食道切除、胆嚢摘出術、虫垂切除術は原則腹腔鏡下手術を行います。
 現在、腹腔鏡だけでなく、腹腔鏡手術に用いる他の道具も改良・開発が進みました。より高度な手術が行われるようになっています。腹腔鏡下手術は現代技術の最先端医療機器を使用した外科手術といえます。

    
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1)腹腔鏡下手術に用いる道具類

 a. トラカール
 腹壁を貫通し、腹腔鏡、手術器具を腹腔内に挿入するための筒です。太さは5〜12mmです。腹腔内の空気が漏れないように工夫されています。最近は3mmのものも使用しています。

   トラカール


 b. 鉗子
 5〜12mmまでの棒状の器具です。手元のハンドルで操作すると、先端が開閉します。先端の形状は切る、摘まむ、剥がすなどの目的に合わせ、工夫されています。また、電気メスや血液やリンパ液を吸うための吸引管もあります。最近は太さ2,3mmの鉗子を使うこともあります。
   鉗子 

 c. 超音波凝固切開装置
 太さ5mmの器具です。先端の金属部分が1秒間に4〜5万回振動し、組織との間で発生する摩擦熱で血管や脂肪を切離します。


 d. ベッセルシーリングシステム
 これも太さは5mmです。組織を挟んだあごの間に電流が流れ、挟まれた組織を固めてしまう装置です。太さ7mmまでの血管が止血されます。


2)腹腔鏡手術の傷あと

 左下が腹腔鏡下手術での傷あとであり、右下が開腹手術での傷あとです。あなた自身や家族が手術を受けるときに、どちらを選びますか?
   図2


3)手術の模式図

 下図のように、二酸化炭素を注入し、お腹を膨らませ、手術を行うための空間(ワーキングスペース)を作って手術を行います。東京ドームをイメージしてみて下さい。

   


4)実際の腹腔鏡下手術の様子

 通常、術者、助手、スコーピスト、器械出しナースの4名で行います。麻酔科医師を含め、全員がテレビ画面を見ながら,手術を行いますから、進行状況などの把握が容易で、スタッフ全員で一致団結して手術を行っています。

   


5)腹腔鏡下手術の長所

 傷が小さいということから生まれる以下のような長所があります。

 a. 痛みが少ない。
 何と言っても、おなかを大きく切らないことから、患者さんの手術後の痛みが非常に少ないことがもっとも大きな長所です。

 b. 傷あとが小さく美容上優れている。
 当科ではさらに傷の数を減らすため、臍の切開創だけで手術をする単孔式手術を胆嚢摘出術、虫垂切除術に取り入れています。また、3mmの鉗子を用いると、傷は全く見えなくなります。
   

 c. 手術後早くから歩くことができます。
 傷が小さいことにより痛みが少なく、早くから歩くことができます。これは高齢者では非常に重要なことで、十分なリハビリを行うことで、若い人とほぼ同じように退院できるようになりました。

 d. 手術後早くから食事を食べることができます。
 お腹の中を密閉した状態で手術を行うので、臓器が空気にさらされず、術後の胃や腸の動きの回復が早いことが証明されています。おなかを切る手術と比較して早くから食事が開始できます。絶食期間が短いことは早い回復を促すことが分かっています。

 e. 日常生活や仕事への復帰も早くなります。
 前述したように、痛みが少なく、回復が早く、退院も早いことから社会復帰も容易になります。しかし、時には「せっかく手術をしたのだから、この際ゆっくり休んではどうですか?」と勧めることもあります。日本人は本当にまじめです。

 他にも次のような長所があります。

 f. 精緻で出血の少ない手術ができる。
 何度も繰り返していますが、ハイビジョンで見る映像は本当にきれいです。さらに拡大してみることができ、細い神経、血管、リンパ節や筋肉がよく見えます。そのため、神経、筋肉を温存し、機能を損ねない手術ができます。また、前述した手術の器具の進歩で非常に出血も少なくなりました。

 g. テレビ画面に映っている画像はすべて記録できる。
 テレビ画面の画像はハードディスク、DVDなどにすべて記録されます。後で何度も見返して、反省することにより上達が早まります。若い外科医の教育にも非常に役立ちます。


6)腹腔鏡下手術の短所

 a. 手術が難しい。
 これまでとは全く異なる手術法であるため、いくつかの難しい点があります。
  @ テレビ画面という平面像を見ながら手術するので、奥行きが分かりにくい。
  A トラカールが腹壁に固定されているため、そこから入れる手術器具の動きが制限される。
  B 狭い空間の中で臓器を展開するのが,困難である。
  C 非常に細かい丁寧な手術操作を要するために手術時間が長くなる。

 これらの問題に対し、日本内視鏡外科学会では技術認定制度を作りました。
 その規則の第1条は以下のようになっています。

 内視鏡外科手術は、低侵襲的であるなどの利点から、消化器一般外科、呼吸器外科、小児外科、産科婦人科、泌尿器科、整形外科など、多数の領域の手術に応用されているが、内視鏡下の手術野で、特殊な器具を用いて行う手術であり、高度な技術が要求される。この日本内視鏡外科学会技術認定制度(以下本制度)は、定款第4条第3号に基づき、各学会の定める専門医制度とは異なり、これら各関連領域において内視鏡手術に携わる医師の技術を高い基準にしたがって評価し、後進を指導するにたる所定の基準を満たした者を認定するもので、これにより本邦における内視鏡外科の健全な普及と進歩を促し、延いては国民の福祉に貢献することを目的とする。

 この技術認定の試験は手術ビデオを提出し、複数の審査員により審査されるものです。合格率は20〜40%とかなりの難関です。
 当科には伴登宏行、黒川 勝、稲木紀幸、北村祥貴、山本大輔の5名の技術認定医がいます。

   日本内視鏡外科学会技術認定取得者一覧

 さらに北陸の内視鏡外科手術のレベルを上げるため、技術認定医を育成しています。手術を受ける際は、担当医が技術認定医であるか確認した方が良いと思います。

 b. 腹腔鏡用の特殊で高額な器具が必要である。
   腹腔鏡手術はいろいろなモニター、電気機器、鉗子などを使うので、費用がかかります。しかし、現在、ほとんどの腹腔鏡手術は保険がきくので、高額療養費制度を使えば、患者さん自身は大きな負担はありません。ただ、医療費の高騰につながるといった意見もあります。


7)当科で施行している腹腔鏡下手術

 食道切除術


 胃切除術


 胆のう摘出術
 胆のう摘出術1 
 胆のう摘出術2 


 肝部分切除術
 肝部分切除術 


 大腸切除術
 大腸切除術 


 胃、十二指腸潰瘍穿孔に対する手術
 胃、十二指腸 


 虫垂切除術
 虫垂切除術 


 脾臓摘出術
 脾臓摘出術 


 直腸脱に対する手術
 直腸脱に対する手術 


 などが行われています。

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 もし上記の外科手術治療法に関してお悩みの方、疑問点をお持ちの方がいらっしゃればいつでも御相談いただければ幸いです。外科手術法が日進月歩しておりますので、悩まれることも多いと思います。悔いの残らない治療をうけるために、御一緒に考えていきましょう。



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乳がんの内視鏡手術について

〜傷が目立たない乳がんの手術〜

 乳がんの手術といえば,以前は病気のある乳房を乳頭乳輪も含めて全部切除してしまう方法しかありませんでした.この手術は患者さんにとってとても精神的に負担が大きい方法で,患者さんたちは乳がんを治すために女性のシンボルである乳房を失うという試練に耐えてきました.

 しかし近年,乳房を全部失うことなく乳がんを治療する手術が行われるようになってきました.これが「乳房温存手術」です.この方法は(原則的には)乳頭乳輪を残して、病気のある乳房の一部のみを切除する手術です.ただし,すべての乳がんの患者さんにこの手術を行えるわけではなく,乳房温存手術が行えるのは,乳がんがそれほど大きくない患者さんに限られています.しかし乳がん検診の普及や乳がんに対する意識の向上により,小さいうちに発見される乳がんが増え,その分,乳房温存手術が行われる割合が増えてきました.現在石川県立中央病院では,乳がんの手術の約53%は乳房温存手術です.すなわち乳がんの患者さんの半分以上の方は,乳房を失わずに乳がんの手術が受けられるわけです.

 このように多くの乳がんの患者さんに恩恵をもたらしている温存手術ですが,通常は乳房表面に傷をつけて手術を行っていました.つまり乳房は残るけれども,乳房の目立つところに大きな傷が残ってしまうことになります(図1).


      乳がん手術後の図


 せっかく乳房を残すのなら,なるべく傷を目立たなくしてきれいに残したいという願望を患者さんがお持ちになるのは当然のことと思います.この,がんを治しつつ目立たない傷で手術をするという,ある意味では欲張りな要求を可能にする方法が,内視鏡下乳房切除術です.

 近年の内視鏡技術の進歩は著しく,最近ではあらゆる領域の手術に内視鏡を用いる手術が行われるようになってきました.内視鏡下手術の最大の利点は,傷が小さくて目立たず患者さんの手術後の回復が早いことです.

 この内視鏡手術の利点は乳がんの手術にも当てはまり,先述の乳房温存手術に対する要求を満たす目的で,約10年前から内視鏡下乳房切除術が行われるようになってきました.この方法は,わきの下と乳輪部に小さな傷をつけ,その傷から内視鏡を用いて乳房の一部を切除する方法です(図2)


     内視鏡手術の傷






 この方法により,傷は通常の手術より格段に小さく目立たなくなります(写真1,写真2).しかし,内視鏡手術は最近マスコミで数多く報道されているように高度な技術を必要とする方法です.乳がんの手術についても,現在内視鏡手術を行っている施設は限られています.当院では,2002年より乳がんの内視鏡手術を開始し,これまでに400人を超える患者さんにこの手術を行ってきましたが,大きな問題は発生しておりません.

もし乳がんの治療に関してお悩みの方,疑問点をお持ちの方がいらっしゃればいつでも御相談いただければ幸いです.乳がんの治療はいろいろな選択肢があり悩まれることも多いと思います.悔いの残らない治療をうけるために,御一緒に考えていきましょう.


     内視鏡手術後の写真





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