◆「おらのお金を盗んだ!」 在宅介護:60代女性、要介護者:「実母」89歳
3年ほど前のある日、母が「おらのお金を盗んだ!」と突然騒ぎ出しました。それまでは「同じことを言ったり聞いたりする」「しまい忘れや置き忘れが目立つ」「直前のことも忘れてしまう」などの記憶障害が見受けられましたが、日常は農作業も家事もそれなりにしていたので加齢による物忘れか、軽い認知症くらいに思っていました。
この事件が発生して「母は認知症」の疑いが強くなり、掛かりつけの医師に相談し、隣町の専門医を紹介して頂きました。専門医の診断は「認知症」でした。
同時に市の福祉課に相談することを勧められ、地域包括支援センターの支援を受けるようになり、デイサービスや訪問サービスを利用することが出来ました。
農作業が無い冬は外出が少ないせいか症状が悪化する傾向が見られました。昨年当たりからは所構わず尿を漏らすなど更に症状は悪くなり、この冬は積雪も多く車の往来が難しく外出も無く寝たきり状態になりました。食事やオムツ交換など毎日の介護は大変ですが、月1回開かれる「家族介護教室」に通っていると、同じ家族介護をしている人達との世間話や介護を通しての喜怒哀楽、時には愚痴などで気分転換をし、元気を取り戻しています