「田鶴浜野鳥公園」

石川県中能登農林総合事務所
周辺の環境 周辺には水田と海、河口の干潟もある。もともと希少種を含む渡り鳥の飛来地として有名な場所。
実施開始時 1997年
参加者 石川県中能登農林総合事務所、七尾市(旧田鶴浜町)、野鳥保護活動家、その他
きっかけ クロツラヘラサギとカラシラサギをはじめ多くの渡り鳥が訪れる田鶴浜町鶴尾尻地区でほ場整備が行われることにより、渡り鳥の飛来が減少することが危ぶまれた。そこであらたに野鳥の生息環境を造成することにした。
苦労したところ 設計はイギリス人の野鳥研究者であるニール氏がおこなったこともあり、設計概念は優れたものであった。しかし、施工段階では人の姿を完全に鳥から遮断することが徹底されず、造成後の修正を余儀なくされることがあった。
これからの課題 小道のブラインドとしての草木が十分に育っていないことから、まだ野鳥が安心して生息できるような空間とはなっていないため、対策をとることとともに見守ることが必要である。


◎野鳥のために設計された公園

 ほ場整備等の開発の代償として、また野鳥飛来地という地域特性を生かす目的で造られた。設計は鳥の生態とそれを支える多様な種の保全に留意し、エサ場や休息地となる大池を中心に、人が鳥を驚かさない観察施設などに工夫を施した。工事は約1.8haの水田に道路建設などで撤去された樹木や石材を活用し、より自然に近い環境の復元を目指した。 

野鳥公園池写真


◎海の生きものも住める環境
 大池は海とつながる小さな内湾環境となっているので、海の生物のゆりかごの役目をはたすことが期待されている。タツノオトシゴや海藻などが育っている。水際の植生も塩分に強いウキヤガラ、サンカクイ、アシなどが繁茂し、原風景としての景観を年々呈してきた。

野鳥公園内観察歩道写真


◎消波堤防を兼ねた水鳥の休憩地
 海側には自然石を利用した離岸堤防が造られている。これまでは河口にできたわずかな干潟しかなかったが、水鳥が安心して羽を休める休憩地が増えた。

消波堤防を兼ねた水鳥の休憩地


◎里山をイメージさせる公園つくり
 ビジターセンターやバードウォッチングハイドは木造で、屋根は野草で覆われている。大池周辺には2,000本の木を植え、ハイドまでの小道は木材チップを敷き詰め人の足音が聞こえないよう配慮してある。今後、これらの木が育って小さな里山が作られることが期待されている。